えびいち・そめたろう。本名、村井正秀。曲芸師。
2月2日、「傘回し」などの古典曲芸「太神楽(だいかぐら)」で人気を博し、「いつもよりよけいにまわしております」などの軽妙なかけ声で知られる「染之助・染太郎」コンビの兄、海老一染太郎さんが、胃がんのため、東京都中野区の病院で死去。70歳。
1932年、東京都出身。父親は落語家、母親も寄席の三味線弾きという芸能一家に生まれる。45年、13歳で2歳年下の弟染之助さんとともに、2代目海老一海老蔵に入門し、46年に新宿末広亭で初舞台。少年2人で演じる日本独特の曲芸は、寄席、米軍キャンプなどで人気に。芸は染之助さんが、兄の染太郎さんはそばではやしたてる話芸へと分業し、「お染ブラザーズ」として数多くの海外公演やテレビ出演などで人気を取った。73年、放送演芸大賞曲芸部門賞、85年、浅草芸能大賞奨励賞受賞。