クロズミ・イタル。医師。NGO「アジア眼科医療協力会」理事長。
3月7日、ネパールで白内障手術などの医療援助を30年にわたって続けてきたアジア眼科医療協力会の理事長、黒住格さんが、くも膜下出血のため、兵庫県立西宮病院で死去。67歳。
1934年、岡山県出身。徳島大学医学部卒。72年、海外技術協力事業団(現JICA<国際協力事業団>)のメンバーとして初めてネパールを訪れ、白内障で失明する患者が多いことにショックを受ける。翌年、アジア眼科医療協力会を設立し、学校や寺の宿坊を仮設病院にして「アイキャンプ(野外眼科手術)」事業を開始。30年間で眼科医90人以上を派遣し、3万4000人の白内障患者を診察。視力を取り戻した患者は約9000人にのぼる。84年、岩橋武夫賞(アジアにおける盲人福祉・教育等への貢献)受賞。