オオイシ・ブイチ。元環境庁長官、緑の地球防衛基金会長。
10月19日、実質初代となる環境庁長官を務めた大石武一さんが、心不全のため死去。94歳。
1909年、仙台市生まれ。35年東北帝国大学医学部卒業。国立仙台病院内科医長から父親の跡を継ぎ、48年衆院議員に初当選し当選10回、後に参院議員1期。国際軍縮促進議連会長などを務めた。71年佐藤栄作内閣で環境庁(当時)の実質的な初代長官となり、大胆な環境行政を展開。日光国立公園尾瀬地区周辺の道路建設をストップさせたほか、水俣病の認定要件を「感覚障害などの症候が一つでもあり、有機水銀の影響が否定し得ない場合」とする事務次官通達を出し、患者救済の道を広げるなど、その後の環境行政の在り方に大きな影響を与えた。83年の政界引退後は「緑の地球防衛基金」を設立。大規模林道による自然破壊などに反対したほか、海外での緑化運動の推進や、ペルシャ湾の環境保護を訴えるなど国際的にも活躍した。