カセ・トシカズ。外交官。
5月21日、初代国連大使、外交評論家の加瀬俊一さんが、急性心不全のため死去。101歳。
1904年、東京生まれ。東京商科大学2年の時、外交官試験に合格し、25年外務省に入省。アメリカに留学し、アムハースト大学、ハーバード大学を卒業。ロンドン軍縮会議や国際連盟脱退などに随員として参加。重光葵外相の側近として終戦工作にかかわり、45年のミズーリ号上の降伏調印には外務省報道部長として列席。55年初代国連代表部大使となり、翌年の日本の国連加盟を実現させた。ユーゴスラビア(当時)大使を経て退官した後も吉田、佐藤、中曽根の歴代首相の顧問を務め、74年の佐藤栄作元首相のノーベル平和賞受賞では各国を根回しのため歴訪。影の功労者といわれた。改憲派の「日本を守る国民会議」の議長、「終戦50周年国民運動実行委員会」の会長も務めた。著書に「ミズーリ号への道程」「戦争と外交」「加瀬俊一回想録」などがある。