ピエール神父。Abbe Pierre。本名、アンリ・グルエス(Henri Groues)。聖職者。
2007年1月22日、フランスでホームレスなどの貧者救済運動に長年尽力し、国民の尊敬を集めていたピエール神父が、肺の感染症のため死去。94歳。
1912年、フランス、リヨン生まれ。裕福な生糸商人の5番目の子供として生まれたが、慈善運動にも熱心だった父親の影響で、30年に修道院入り。カトリック教会のために財産を放棄した。第二次世界大戦中はナチス占領下でユダヤ人を助け、レジスタンスとともに闘った。49年、慈善団体「エマユス」を設立。ホームレスや貧しい人々に衣食住や仕事を提供、フランス国内だけでなく、日本を含む世界約40カ国に拠点を広げている。
週1回発行の全国紙「ジュルナル・デュ・ディマンシュ(Le Journal du Dimanche=日曜新聞)」が、定期的に掲載する著名人の人気ランキングでは、80年代末から常に首位を争い、2004年にはとうとうランキング入りを辞退するほどフランス国民の敬愛を集めていた。