キム・デジュン。Kim Dae-jung。政治家。
2009年8月18日、韓国を代表する政治指導者で同国の民主化、南北朝鮮や日韓の関係改善に尽力した金大中元大統領が、多臓器不全などのため死去。85歳。
1924年、韓国の全羅南道生まれ。61年国会議員に初当選。71年の大統領選挙で独裁色の強い現職の朴正熙氏相手に善戦するなど、民主化勢力のリーダーとして活動していたが、73年8月に韓国情報当局の手で東京のホテルから拉致される「金大中事件」が起き、自宅軟禁状態に置かれた。朴大統領暗殺後に政治活動を再開したが、80年5月に全斗煥によるクーデターで再び逮捕された。これがきっかけとなって起こった「光州事件」で内乱陰謀罪に問われ、死刑判決を受けたが、国際世論の影響で減刑・釈放され、アメリカに亡命。85年2月帰国し、政界に復帰。一度は引退を表明したものの、4度目の挑戦となる97年の大統領選で韓国史上初となる与野党の政権交代を実現した。大統領就任後は韓国の民主化を推進し、北朝鮮との対話と経済交流を優先する「太陽政策」を掲げ、2000年6月には金正日総書記と南北首脳会談を実現。同年のノーベル平和賞を受賞した。また、日韓の関係改善に尽力し、日本の大衆文化開放を段階的に進める政策は、民間レベルでの両国の交流が広がるきっかけを作った。