ジョゼ・サラマーゴ。Jose Saramago。作家。
2010年6月18日、映画化された小説「白の闇」などで知られ、ポルトガル語圏で初のノーベル文学賞受賞者となったジョゼ・サラマーゴさんが、多臓器不全のため死去。87歳。
1922年11月16日、ポルトガルのサンタレン県の貧しい農家に生まれる。高等中学校を卒業後、病院や出版社などで働きながら、47年、最初の小説「罪の国」を発表。当時の独裁政権に反対する立場から50~70年代に政治批評などを左翼系雑誌に寄稿。74年に独裁政権が倒れた後は、有力全国紙「ディアリオ・デ・ノティシアス」の副主幹も務めた。76年以降は作家活動に専念。長編小説を中心に、詩や戯曲も手がけ、とくに82年に発表した代表作「修道院回想録」は、世界的に高い評価を受けた。98年、ポルトガル語圏初のノーベル文学賞を受賞。他の作品に、小説では「リカルド・レイスの死の年」、「イエス・キリストによる福音書」、詩集「可能な詩」、戯曲「夜」などがある。小説「白い闇」は、2008年に「ブラインドネス」(カナダ、日本、ブラジル合作)というタイトルで映画化され、日本人俳優として伊勢谷友介と木村佳乃が出演した。