カワノ・ユウコ。本名、永田裕子。歌人。
2010年8月12日、恋愛や出産、子育てなど女性としての生をみずみずしい感性で詠(よ)んだ戦後生まれの代表的な女性歌人、河野裕子さんが、乳がんのため死去。64歳。
1946年7月24日、熊本県生まれ。69年京都女子大学在学中に「桜花の記憶」で戦後生まれ初の角川短歌賞受賞。女性の生を新鮮な言葉で詠んで注目を集め、77年「ひるがほ」で現代歌人協会賞を受賞。2002年「歩く」で紫式部文学賞、若山牧水賞、09年には「母系」で斎藤茂吉短歌文学賞、迢空賞をダブル受賞している。夫で京都大学名誉教授の歌人、永田和宏が主宰する歌誌「塔」に所属し、毎日歌壇、NHK歌壇の選者としても活躍。09年からは夫とともに宮中歌会始の選者も務めた。2000年に見つかった乳がんが08年に再発してからは自宅で療養し、自身の闘病などを歌にした「葦舟」が最後の歌集となった。他の歌集に「桜森」「はやりを」「体力」「家」「日付のある歌」など。長男の淳、長女の紅(こう)も歌人。