クロダ・ナツコ。作家。第148回芥川賞受賞者。
2013年1月16日、芥川賞の選考会が開かれ、黒田夏子の「abさんご」(早稲田文学5号)が選ばれた。75歳での受賞は、1974年に61歳で受賞した森敦の記録を大きく更新する、史上最年長記録。
1937年、東京生まれ。4歳のときに母を結核で亡くし、自身も自宅療養を強いられ読書に没頭。5歳から物語を書き始め、早稲田大学教育学部在学中には文芸同人誌「砂城」に参加。卒業後、私立の中高一貫校で国語の教師を務めたあと、事務員、校正者の仕事をしながら創作を続ける。63年に「毬(まり)」で読売短編小説賞入選。その後は、10年に1本のペースで作品を書き続けてきた。2012年、今回の受賞作となった「abさんご」が第24回早稲田文学新人賞を受賞。本作は、昭和を舞台に一人の娘の半生を描いた自伝的作品。横書きでひらがなを多用し、かぎカッコやカタカナ、人名などの固有名詞を使わない独特の表現法が高く評価された。