クリスティアン・バーナード。Chritian N. Barnard。南アフリカの心臓外科医。
9月2日、1967年に世界で初めて心臓移植手術に成功した南アフリカの心臓外科医、クリスティアン・バーナード博士が、旅先のキプロスのホテルで、心臓発作のため、死去。78歳。
1922年、南アフリカ生まれ。ケープタウン大学卒業後、アメリカのミネソタ大学に留学。67年12月3日、ケープタウンのグルート・スキュール病院で、50代の男性に、20代の女性の心停止が確認された心臓を移植する手術に成功した。移植患者は、手術から18日後に、拒否反応を抑える薬剤の投与過多による肺炎で死亡したが、世界の移植医療に大きな影響を与えた。バーナード博士の心臓移植手術を契機に、死の判定基準を巡る論議が行われ、「脳死」を死の定義とする医学的判定基準が生まれることになった。また、バーナード博士が開発した人工僧帽弁や人工大動脈は「バーナード弁」として多くの国々で用いられている。