イマイズミ・イマエモン。陶芸家。
10月13日、有田焼の人間国宝、今泉今右衛門さんが、心不全のため、佐賀県有田町の自宅で死去。75歳。
1926年、佐賀鍋島藩時代から続く、御用窯「今右衛門窯」今泉家の12代今右衛門の長男として生まれる。49年、東京美術学校(現東京芸大)卒業後、父に師事して修業。62年、初出品の「色絵有織文花器」で日本伝統工芸展に初入選。65年、日本工芸会正会員に。75年、父の死去で13代今右衛門を襲名。家伝の色鍋島独特の繊細な絵付け技法に、「吹墨(ふきずみ)」「薄墨」などの新たな技法を組み合わせて、現代的な色鍋島の世界を作り出した。81年、「色絵薄墨露草文鉢」で日本陶芸展最優秀作品賞。88年、毎日芸術賞、89年、人間国宝に。佐賀県立有田窯業大学校校長、日本工芸会副理事長。なお、佐賀県有田町に今右衛門古陶磁美術館がある。