キヨカワ・ニジコ。女優。
5月24日、演技派として喜劇も悲劇もこなした女優、清川虹子(本名・関口はな)さんが、肺出血のため、神奈川県川崎市の病院にて死去。89歳。
1912年、千葉県生まれ。28年に川上児童楽劇団で初舞台を踏む。33年、東京浅草で「笑の王国」旗揚げに、古川緑波、徳川夢声らと共に参加。その後、PCL(現・東宝)の専属となる。横山エンタツ、花菱アチャコ、榎本健一ら、今や伝説の喜劇人たちと数多く共演、喜劇俳優の三枚目として異彩を放ち、後には舞台、映画、テレビと幅広く活躍した。しかも喜劇ばかりではなく、悲劇などシリアスな役も演じられる名女優だった。私生活では49年、伴淳三郎と二度目の結婚をしたことでも知られる(後に離婚)。56年のMGM作品『八月十五夜の茶屋』ではマーロン・ブランドとも共演。出演した映画は500本を越える。代表作品に『どん底』『復讐するは我にあり』『楢山節考』『蒲田行進曲』、テレビの大河ドラマ『北条時宗』など。遺作となった『夜を賭けて』は日韓合作映画で、2002年秋公開予定。