スミヤ・ミキオ。労働経済学者。
2月22日、成田空港問題の和解などに尽力した東大名誉教授の隅谷三喜男さんが死去。86歳。
1916年、東京生まれ。東京大学経済学部卒業後、昭和製鋼所(後の満州製鉄鞍山本社)に勤務。終戦後東大に戻り、55年教授。大河内一男(1902~84。労働経済学者、社会政策学者)らとともに労働問題を研究し、アメリカ労働経済学の視点を取り入れた独自の労働経済理論を築いた。東大退官後、東京女子大学学長を務める一方、日本労働協会会長、公労委公益委員などを歴任。91年、拡張工事などをめぐる成田空港問題で学識経験者による調査団を結成。93年、建設反対派、地域住民による「成田空港問題円卓会議」の座長に就任し、粘り強い努力で話し合いによる解決への道を開いたことで知られる。社会保障制度審議会会長時代の95年には介護保険の導入を提言するなど、幅広い分野で活躍した。敬虔なクリスチャンでもあった。著書に「日本賃労働史論」「労働経済論」など。