キンダイチ・ハルヒコ。国語学者。
5月19日、方言の研究や国語辞典の編さんで知られる国語学者の金田一春彦さんが、くも膜下出血のため死去。91歳。
1913年、東京生まれ。アイヌ語の研究で知られる言語学者、金田一京助の長男。37年、東京大学国文科卒業。東京外国語大学、上智大学教授などを歴任し、「明解古語辞典」「新明解国語辞典」などの多数の辞典編さんに携わった。日本語アクセントの歴史的な体系変化を初めて実証し、各地の方言から東西アクセントの系統を解明。63年の「吉展ちゃん誘拐殺人事件」では脅迫電話の声から犯人の出身地を的中させた。また、声明(しょうみょう)や平曲、童謡の研究でも知られ、レコード大賞審査員やテレビのクイズ番組解答者も務めるなど、茶の間にも広く親しまれた。「日本語」「国語アクセントの史的研究」など多くの著書がある。山梨県大泉村の八ケ岳大泉図書館に蔵書や自筆の研究ノートなど2万冊を寄贈し、98年には「金田一春彦ことばの資料館」が開設されている。