スズキ・ゼンコウ。政治家。
7月19日、自民党の元衆院議員で元首相の鈴木善幸さんが死去。93歳。
1911年、岩手県生まれ。網元の長男として生まれ、旧農林省水産講習所(現・東京海洋大学)を卒業後、漁業団体勤務などを経て、戦後2回目の衆院選(47年)で日本社会党から出馬し初当選。その後、社会革新党をへて、49年に民主自由党(現・自民党)に移り、連続16回当選。80年の衆参同日選中に急死した大平正芳首相の後継として、自民党圧勝直後に首相に就任した。「増税なき財政再建」を掲げて臨時行政調査会(第2次臨調)を発足させ、赤字国債からの脱却に取り組んだほか、参院選の全国区制を比例代表制に改革。81年のレーガン大統領(当時)との日米首脳会談で、日米関係を初めて「同盟関係」と規定したが、「軍事的意味合い」を否定する首相に故・伊東正義外相(当時)が反発して辞任する事態となった。「増税なき財政再建」の行き詰まり、自民党総裁の再選問題に絡む派閥対立などで、82年10月、突如退陣を表明。90年の衆院選で長男俊一にバトンタッチして政界を引退していた。