チョウ・シンタ。本名、鈴木しゅう治(しゅう=「秋」の下に「手」)。絵本作家、イラストレーター。
6月25日、先の展開が読めないナンセンスでユーモア溢れる作品を発表し続けた、イラストレーターで絵本作家の長新太さんが、中咽頭(いんとう)がんのため死去。77歳。
1927年、東京生まれ。蒲田工業高校を卒業後、48年、「ロングスカート」で東京日日新聞(現・毎日新聞東京本社)の漫画コンクールに入選。それが縁で同社の嘱託社員となり、紙上の4コマ漫画や挿絵を担当した。55年に退社し、創作活動に専念し始める。「ヒゲとボイン」で知られる小島功らとともに若手グループ「独立漫画派」を結成。58年に絵本を初出版してから、これまでに400冊以上の作品を発表した。59年、「おしゃべりなたまごやき」のイラストで文藝春秋漫画賞を受賞。他に「はるですよふくろうおばさん」で講談社出版文化賞、「ゴムあたまポンたろう」で日本絵本賞など多数。不条理、予測不可能などと評される作風から、苦情の手紙が届くこともあった。しかしその作品は子どもから絶大な人気を獲得し、大人にも熱狂的なファンを持っていた。