オカ・ハチロウ。本名、市岡輝夫。コメディアン。俳優。
7月26日、元吉本新喜劇座長で、「奥目の八ちゃん」の愛称で親しまれていた岡八朗さんが肺炎のため死去。67歳。
1938年、兵庫県生まれ。高校卒業後、俳優修行のため宝塚映画の研修生となる。60年、漫才師の花菱アチャコの推薦を受けて吉本新喜劇の1期生となった。その後、浅草四郎と漫才コンビを組んで人気を得るが、解散して新喜劇へ戻った。奥目を売りにした独特の風貌と親しみやすい人柄で親しまれ、68年に30歳の若さで座長に抜擢される。「くっさ~」「隙があったら、かかってこんかい!」などのギャグで、同年代の花紀京、原哲男らと新喜劇の黄金時代を築き上げた。89年、マンネリ解消のために行われた吉本新喜劇の若返り策に伴い、吉本興業を退団。吉本興業は強く引き留めたが、「若手に出番を与えてやってほしい」との思いからテレビや地方公演に活躍の場を移した。順調な芸能活動の裏で病に悩まされ続けた。30歳で結核、その後も胃がん、急性すい炎、脳挫傷など重病と闘い、さらに妻と長男の急死など不幸が重なり、アルコール依存症になる。再起不能とささやかれたが、芸への執念と弟子のオール阪神・巨人らの支えによって克服。2003年には心機一転して芸名を「八郎」から「八朗」に改名した。著書にアルコール依存症の苦闘を記した「泣いた分だけ笑わしたる!」がある。7月16日のオール阪神・巨人結成30周年記念公演が最後の舞台となった。