サンショウテイ・ムラク。本名、渋谷滉(ひろし)。落語家。
10月28日、テレビ創成期の大喜利などで活躍し、日本の古典落語界の重鎮であった三笑亭夢楽さんが肺不全のため死去。80歳。
1925年、東京生まれ。42年、馬賊にあこがれ北京へ渡る。3年間の放浪生活を経て敗戦とともに帰国、農林省(現・農林水産省)開拓局に入局した。49年、5代目古今亭今輔に入門。古今亭今夫の名でデビューしたが、3年後に8代目三笑亭可楽の下へ移り、三笑亭夢楽となる。58年、同名のまま真打に昇進。「大工調べ」「三方一両損」など職人噺(はなし)の古典を得意とした。また、60年代にはフジテレビ系「お笑いタッグマッチ」などテレビやラジオでも活躍し、第1次お笑いブームの火付け役にもなる。それと並行し、20年にわたり古典落語の勉強会「若手落語会」も主催。落語芸術協会相談役。2004年11月に三笑亭夢丸一門会のトリで演じた「三方一両損」が最後の高座となった。