クサマ・ヤヨイ。芸術家。
9月7日、水玉や網をモチーフにした作品で知られる芸術家の草間彌生が、日本人女性として初、絵画部門では日本人で初めて「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞した。
1929年、長野県松本市生まれ。少女時代から幻覚・幻聴を体験し、それを基に水玉模様や網目をモチーフにした幻想的な絵を描きはじめる。48年、京都市立美術工芸学校(現・京都市立芸術大学)に入学、日本画を学ぶ。52年に初個展。57年に単身渡米、モノクローム絵画を発表し、注目を浴びる。その後も巨大な平面作品や電飾を使った彫刻など様々なジャンルで作品を発表した。60年代後半には反戦のパフォーマンスや、ボディー・ペインティングなどを行い社会にメッセージを発信。68年に発表した自作自演映画「草間の自己消滅」は第4回ベルギー国際短編映画祭などで入賞した。73年に帰国したのちは、小説や詩の世界でも活躍。93年に行われた国際展ヴェネツィア・ビエンナーレでは日本代表となった。98~99年にかけてアメリカと日本を巡回する大回顧展「草間彌生ニューヨーク/東京」展を開催、99年度芸術選奨文部大臣賞を受賞。その後も2004年の「クサマトリックス」展など精力的に活動を続けている。
「高松宮殿下記念世界文化賞」は絵画、彫刻、建築、音楽、演劇、映像の各分野で顕著な業績を挙げた芸術家に授与される世界的な賞。今年度は、彫刻部門でクリスチャン・ボルタンスキー(フランス)、音楽部門でスティーブ・ライヒ(アメリカ)などが受賞している。