カワカミ・ミエコ。第138回芥川賞受賞者。
サクラバ・カズキ。第138回直木賞受賞者。
2008年1月16日、第138回(2007年下半期)芥川賞・直木賞の選考委員会が開かれ、芥川賞は川上未映子の「乳(ちち)と卵(らん)」(「文学界」07年12月号)、直木賞は桜庭一樹の「私の男」(文藝春秋)に決まった。
川上未映子は1976年、大阪府生まれ。高校卒業後、ホステスなど様々な職業を転々とし、2002年にシングル「瞳ヴァイブレイション」で歌手デビュー。05年にセルフプロデュースしたアルバム「頭の中と世界の結婚」の歌詞が評判を呼び、雑誌「ユリイカ」に詩や批評を寄稿。「早稲田文学」に詩を掲載するようになり、07年、同誌で「わたくし率イン歯(は)ー、または世界」を発表。同作が第137回の芥川賞候補作となり、作家として一躍注目を集めるようになった。他の著書に随筆集「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」、詩集「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」がある。
桜庭一樹は1971年、鳥取県出身。大学在学中にDENiMライター新人賞を受賞。99年「夜空に、満天の星」(のち「AD2015隔離都市ロンリネス・ガーディアン」と改題して刊行)で、第1回ファミ通エンタテインメント大賞に佳作入選し、作家デビュー。以降、若者向けのライトノベルの作家として注目される。2005年の「少女には向かない職業」で一般小説へ進出。07年「赤朽葉家の伝説」は日本推理作家協会賞を受賞し、直木賞の候補作にもなった。山田桜丸名義でゲームシナリオやノベライズ作品も発表している。女性だが男性のような筆名で執筆するのは、先入観をもたずに作品を読んでもらいたいためという。