フクダ・シゲオ。グラフィックデザイナー。
2009年1月11日、日本を代表するグラフィックデザイナーの1人で、「日本のエッシャー」ともいわれた福田繁雄さんが、くも膜下出血のため死去。76歳。
1932年、東京生まれ。56年に東京芸術大学美術学部を卒業後、味の素デザイン室勤務を経て58年に独立。67年には、大阪万国博覧会の公式ポスターを制作し、場内の標識などの絵文字(ピクトグラム)も手がけた。72年、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレで金賞を受賞。75年には、ポーランドで開かれた戦勝30周年記念国際ポスターコンクールで、砲弾の向きを逆さに描いた「VICTORY」が最高賞を受賞するなど、国際的に活躍。だまし絵などの視覚トリックを駆使したデザインで、「日本のエッシャー」とも呼ばれた。母校の東京芸術大学でも教壇に立ったほか、日本グラフィックデザイナー協会の会長も務めた。母の郷里であり、戦争中に疎開していた岩手県二戸市に、99年、福田繁雄デザイン館が設立された。著書に「ユーモア仕掛けの遊生活」「視覚トリック」など。