ワカスギ・ヒロシ。指揮者。
2009年7月21日、東洋人として初めてライン・ドイツオペラ音楽総監督を務めるなど、日本を代表するオペラ指揮者として活躍した、新国立劇場オペラ芸術監督の若杉弘さんが、多臓器不全のため死去。74歳。
1935年、東京生まれ。20歳で慶応義塾大学経済学部を中退して東京芸術大学の声楽科に入り直し、さらに指揮科に転科。在学中から二期会のオペラ公演などで指揮者として活躍。卒業後はNHK交響楽団指揮研究員となり、61年東京交響楽団を指揮してデビュー。77年からはヨーロッパにも進出。81年には東洋人として初めてライン・ドイツオペラ音楽総監督に就任した。チューリヒ・トーンハレ管弦楽団芸術総監督や、ドレスデン国立歌劇場の音楽総監督を務めるなど、ドイツを中心に活躍。90年代には日本に拠点を移し、NHK交響楽団の指揮者や滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール芸術監督を務めた。びわ湖ホールでは、9つのヴェルディ作品を日本で初めて上演。2007年には新国立劇場のオペラ部門芸術監督に就任するなど、日本のオペラ振興に尽力した。東京芸術大学名誉教授。