タイホウ・コウキ。本名、納谷幸喜(ナヤ・コウキ)。元大相撲力士、第48代横綱。
2013年1月19日、大相撲で優勝32回、6連覇2回など数々の大記録を打ち立て、戦前に活躍した双葉山とともに「昭和の大横綱」と呼ばれた元大鵬の納谷幸喜さんが、心室頻拍のため死去。72歳。
1940年5月29日、旧樺太の敷香(しくか)郡生まれ。父親はウクライナ人、母親は日本人で、納谷は母方の姓。56年7月、二所ノ関部屋に入門し、9月にしこ名「納谷」で初土俵を踏む。59年5月、十両昇進を機に「大鵬」と改めた。60年初場所で新入幕。61年の九月場所後、当時史上最年少となる21歳3カ月で第48代横綱に昇進。現役生活では、6連覇2回と全勝優勝8回を含む32回の優勝、45連勝など、抜群の強さを誇り、ライバルだった第47代横綱柏戸とともに、「柏鵬時代」と呼ばれる相撲の黄金期を築いた。60年代には、当時の子供の好物を並べた「巨人、大鵬、卵焼き」という流行語も生まれた。71年五月場所で引退を表明。通算872勝182敗136休、幕内746勝144敗136休。引退後は大鵬部屋を興し、関脇巨砲、前頭嗣子鵬らを育てた。77年、36歳のときに脳梗塞(こうそく)で倒れたが、再起。80年から16年にわたって日本相撲協会の理事を務めた。2009年には角界初の文化功労者に選ばれている。