ジャック・モイヤー。Jack Thomson Moyer。海洋生物学者。
1月10日、三宅島を拠点に研究や自然保護活動に取り組んできた海洋生物学者のジャック・モイヤーさんが、避難先のアパートで自殺。74歳。
1929年、アメリカ・カンザス州生まれ。朝鮮戦争で徴兵され51年に初来日。52年、三宅島で繁殖し、絶滅の危機にあったカンムリウミスズメ保護のため、当時のトルーマン大統領に、アメリカ空軍の爆撃訓練中止を訴える手紙を送り、この爆撃訓練が中止されたのをきっかけに三宅島に移住。中学校で英語講師を務めるかたわら、サンゴ礁にすむ魚の生態などを研究し、クマノミが周囲の環境で性転換することを世界で初めて発見。東京大学で博士号も取得した。中・高校生への自然教育にも尽力し、三宅島の噴火で2000年9月に島を離れた後も、講演や三宅島支援のための基金を設立するなどして活躍していた。