タケウチ・ヒトシ。地球物理学者。
4月20日、科学雑誌「ニュートン」編集長で東京大学名誉教授の竹内均さんが、心不全のため死去。83歳。
1920年、福井県生まれ。63年、東京大学理学部教授に就任。太陽や月の引力が地球内部に及ぼす影響を当時の手回し式計算機で数値計算して、地球の力学的モデルと潮汐変形の観測が調和することを示し、64年ベルギー科学アカデミーラグランジュ賞を受賞。また、科学知識の幅広い普及にも貢献。地球の内部にあるマントルの運動が大陸移動や地震を引き起こすというプレートテクトニクス理論を広め、73年には映画「日本沈没」にも竹内教授として出演した。81年東大を定年退官後は、写真やイラストを駆使した科学雑誌「ニュートン」を創刊し、編集長を務めた。ラジオ講座や受験参考書の執筆を通した受験指導でも知られ、81年には予備校校長に就任したこともある。「地球の歴史」「地震の科学」「大陸と海洋の起源」など多数の著・訳書がある。