エリザベス・キューブラー=ロス。Elisabeth Kubler-Ross。精神科医。
8月24日、アメリカの精神科医で、終末期医療の第一人者だったエリザベス・キューブラー=ロスさんが死去。78歳。
1926年、スイス・チューリッヒ生まれ。高校卒業後、父親に反発し、住み込み家政婦として働く。第二次大戦中は「平和を守る国際ボランティア奉仕団」に参加。戦後、チューリッヒ大学医学部に入学。アメリカからの留学生と結婚し、58年、夫と共にアメリカに移住した。ニューヨーク、コロラドの病院を経て、シカゴ大学の付属病院で死を前にした患者に関するセミナーを開始。69年「On Death and Dying」(日本語訳「死ぬ瞬間」)を発表。この中で述べられた告知直後、患者が示す否認と隔離、怒り、取引、抑鬱、受容へと進む「死への5段階」説が社会的に高い評価を得て、「ライフ」が特集記事を組むなど、「死ぬ瞬間」は世界的なベストセラーとなった。その後は講演活動で世界中を飛び回り、末期患者のためのワークショップ施設であるシャンティ・ニラヤ(平和の家)を作るなどの活動を通じて、終末期医療にかかわりつづけた。自伝「人生は廻る輪のように」のほか、20冊以上の著作がある。