シライシ・イチロウ。作家。
9月20日、「海狼伝」など、海洋歴史小説の第一人者として知られる作家、白石一郎さんが、肺炎のため死去。72歳。
1931年、韓国・釜山生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、55年処女作「臆病武者」を発表。57年「雑兵」で第10回講談倶楽部賞を受賞。70年「孤島の騎士」が直木賞候補となり、87年、戦国時代、海賊となった若者の成長を描いた「海狼伝」が候補8回目にして同賞受賞。当時55歳になっていた。92年には「戦鬼たちの海 織田水軍の将・九鬼嘉隆」で第5回柴田錬三郎賞。99年「怒涛のごとく」で第33回吉川英治文学賞。海洋小説の他、NHKドラマの原作になった「十時半睡事件帖」シリーズなどの捕物帖や人情ものにも秀れた作品を残した。双子の長男一文、二男の文郎も作家。2002年食道がんの宣告を受け、闘病を続けていた。