スダ・ヒサシ。洋画家。
1月24日、豊かな色彩感覚で独自の画風を追求した洋画家の須田寿さんが、肺炎のため死去。98歳。
1906年、東京生まれ。東京美術学校(現・東京芸術大学)西洋画科在学中の30年、第11回帝展に「裸婦」が初入選。40年創元会の設立に参加するが、日展依存の体質に反発して脱会。49年山下大五郎、牛島憲之、飯島一次ら7人と立軌会(りゅうきかい)を結成した。人物、牛、鳩、中近東の風物などを、暗褐色を基調とした深みのある暖かな色で描いた、精神性の高い重厚な画風で知られる。65年から78年まで武蔵野美術大学教授。85年「家族」で芸術選奨文部大臣賞。他の代表作に「家鴨(あひる)」「裏庭」「牛を売る」「白い家」「春のおとずれ」などがある。