コバヤシ・ハル。瞽女唄伝承者。
4月25日、瞽女唄の最後の伝承者、「越後瞽女」小林ハルさんが、老衰のため死去。105歳。
1900年、新潟県生まれ。生後3カ月で両目を失明し、5歳で目の不自由な女性旅芸人「瞽女」の師匠のもとに、20年の年季奉公に入る。7歳から三味線と瞽女唄の厳しい修業を受け、9歳から師匠らと、新潟、福島、山形県など娯楽の少ない山間部を中心に巡り、各地で瞽女唄を歌い続け、糧を得てきた。26歳で弟子を取ることが認められて独立する。73歳で老人ホームに入所する際、最後の門付けをしている様子がテレビで放映されたのをきっかけに、78年瞽女唄の伝承者として、国から「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」の技芸者との認定を受け、国立劇場にも出演。翌79年には黄綬褒章を受章。持ち唄は700曲を超え、96歳の時点でも500曲近い瞽女唄を覚えていたという。評伝に「鋼の女(はがねのひと)」「最後の瞽女 小林ハルの人生」「小林ハル―盲目の旅人」がある。