ソウ・サコン。本名、古賀照一。詩人。
6月20日、「炎(も)える母」などの作品で、戦没者への祈りと鎮魂の心をうたい続けた宗左近さんが死去。87歳。
1919年、福岡県生まれ。東京大学哲学科卒。一高在学中から詩に親しむ。45年5月の東京大空襲で母とはぐれ、死に別れた体験をもとに創作した長編詩集「炎える母」を68年に発表、歴程賞を受賞する。縄文文化に強く惹かれ、縄文土器を通じて戦没者の世界とつながろうと志し、縄文シリーズと呼ばれる「縄文」「縄文連祷」などの詩集を発表するとともに、縄文美術の評論なども行った。95年に詩集「藤の花」で詩歌文学館賞を受賞、96年に評論「宮沢賢治の謎」で岩手日報賢治賞を受賞。そのほか、ロラン・バルトの「表徴の帝国」、アランの「幸福論」を翻訳するなど幅広い分野で活躍した。また、法政大学、昭和女子大の教授を歴任、フランス語や美術を教えた。2004年、生命の尊厳を表現する日本の詩人を対象とした第1回チカダ賞(スウェーデン)を受賞。