シラカワ・シズカ。中国文学者。
10月30日、漢字研究の第一人者で、漢字の成り立ちを解説した字書『字統』などの著作で知られる中国文学者の白川静さんが、多臓器不全のため死去。96歳。
1910年、福井県生まれ。少年時代から万葉集や中国文学に親しみ、法律事務所で書生として働きながら立命館大学専門部(夜間部)文学科国漢学科に学んだ。41年、立命館大学法文学部漢文学科に入学。卒業後、同大学の予科教授、専門部教授などを経て、54年には文学部教授に就任した。81年、名誉教授に。84年、漢字の成り立ちを明らかにした字書『字統』を刊行し、毎日出版文化賞特別賞を受賞。その後、『字訓』(87年)、『字通』(96年)を発表し、「白川文字学」とも呼ばれる体系を確立した。91年に菊池寛賞を受賞、98年に文化功労者に選ばれ、2004年には文化勲章を受章した。中高生向けの漢字解説『常用字解』(03年)や、人名漢字の解説書『人名字解』(06年)を発表するなど、晩年に至るまで研究、執筆を続けていた。