ロス・ブラウン。Ross Brawn。フォーミュラ1(F1)テクニカルディレクター。
2007年11月12日、ホンダ・レーシングF1チームは、前フェラーリF1チームのテクニカルディレクター、ロス・ブラウンと契約、11月26日からチーム代表として指揮を執ると発表。
1954年、イギリスのマンチェスター生まれ。76年にウイリアムズの研究開発チームの一員に加わり、F1キャリアのスタートを切る。85年からニューマン・ハース、88年からアロウズと移籍を繰り返し、一時は、世界スポーツカー選手権を戦うTWRレーシングに移籍、短期間、F1から離れた時期もあった。しかし、91年には、ベネトンのテクニカルディレクターとしてF1に復帰。ベネトンでは95年のチームのコンストラクターズ・チャンピオン獲得と、94~95年のミハエル・シューマッハのドライバーズ・チャンピオン獲得に貢献、その手腕に注目が集まった。96年にフェラーリへ移籍。低迷が続いたフェラーリはロスの移籍後、再び黄金時代を迎え、チームは99年から6年連続のコンストラクターズ・チャンピオンに輝き、2000~04年はシューマッハがドライバーズ・チャンピオンを獲得した。その数多くの勝利には、ロスの持ち味とされる、ときに意表を突くピット戦略などの迅速な思考と柔軟なレース戦略が大きく貢献し、彼はF1界有数の“優勝請負人”といわれるようになった。しかし、06年シーズン終了後に1年間の休養を宣言、その復帰先が注目を集めていた。