デニス・リッチー。Dennis Ritchie。コンピューター科学者。
2011年10月13日、アメリカのベル研究所が、オペレーティングシステムUNIXやプログラミング言語C言語の開発者デニス・リッチーの死去を発表。70歳。
1941年9月9日、アメリカのニューヨーク州生まれ。ハーバード大学で物理学、同大学院で応用数学を専攻し、67年ベル研究所に入所。マサチューセッツ工科大学、ゼネラル・エレクトリックとの共同開発プロジェクトMulticsで、プログラミング言語をコンピューターが直接実行できる命令に変換するソフトウエアの開発に携わった。その経験を生かして、ケン・トンプソンとともにコンピューターのオペレーティングシステム(OS)UNIXを開発。また、UNIXの改良を進めるなかで、命令の抽象度を高めたC言語と呼ばれるプログラミング言語を生みだした。73年にはUNIXをC言語に書き換えて、公開した。UNIXとC言語は、世界の研究者などを中心に広く使われるようになり、インターネットの実現など、その後の情報科学分野に大きな影響を与えた。これらの業績により、83年には同僚のケン・トンプソンとともにコンピューター科学分野のノーベル賞ともいわれるチューリング賞を受賞。2011年7月にもトンプソンとともに「情報・通信」分野で日本国際賞を受賞した。