トキワ・シンペイ。作家、翻訳家。
2013年1月22日、アーウィン・ショーの「夏服を着た女たち」など現代アメリカ文学の翻訳で知られ、自伝的小説「遠いアメリカ」で直木賞も受賞した常盤新平さんが、肺炎のため死去。81歳。
1931年3月1日、岩手県生まれ。早稲田大学文学部英文科、同大学院を経て、1959年に早川書房に入社。「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン(現在のハヤカワ・ミステリマガジン)」の編集長を務め、海外の冒険小説やスパイ小説などを数多く日本に紹介。69年退社後、翻訳家として独立。ウオーターゲート事件を取材したワシントン・ポスト紙記者の手記「大統領の陰謀」、アーウィン・ショーの「夏服を着た女たち」をはじめとする現代アメリカ文学、ニューヨークの街や風俗を描いたエッセー「大雪のニューヨークを歩くには」、デヴィッド・ハルバースタムが49年のヤンキースとレッドソックスの激闘を描いた「男たちの大リーグ」など、数多くの翻訳作品を手掛けた。一方、87年には、アメリカ文化にあこがれ翻訳家を目指す青年を描いた「遠いアメリカ」で直木賞を受賞するなど、作家やエッセイストとしても活躍した。