シラカワ・ヒデキ。工学博士(高分子化学)。12月10日、白川英樹筑波大名誉教授が、ノーベル化学賞を受賞。日本人のノーベル賞受賞は、94年に文学賞受賞の大江健三郎氏以来で、9人目。化学賞では、81年の福井謙一博士についで2人目。受賞理由は導電性ポリマーの発見と開発で、アメリカの2人の研究者との共同受賞。白川博士が76年11月に発見した、電気を通す性質を持つポリアセチレン(プラスチックの一種)から、その後、数多くの導電性ポリマーが開発され、プラスチック製の電池、コンデンサー、ディスプレーなど、現在のIT分野を支える電子部品素材が生産されるようになった。
36年東京都生まれ。東工大大学院卒業後、東工大助手、アメリカのペンシルベニア大研究員、筑波大助教授を経て、82年に筑波大教授に。00年3月、定年退官。00年度、文化勲章、文化功労者。著書に『導電性高分子から何がみえるか』など。