コリン・ルーサー・パウエル。Colin Luther POWELL。ブッシュ政権国務長官。1月20日、ブッシュ大統領の就任式が行われ、新政権がスタートした。民主党のゴア候補との世論を二分した壮絶な選挙戦や、1カ月以上にわたる訴訟合戦で傷ついた大統領職の権威を回復し、国民融和を図るための目玉人事として、三顧の礼で新政権に迎えられたのがパウエル元統合参謀本部議長。史上初めての黒人国務長官の誕生となる。ジャマイカ移民の子としてニューヨークのスラム街で育ち、苦学の末、軍隊で黒人として初めて制服組のトップに昇進。しかも湾岸戦争に勝利した英雄。パウエル氏の略歴は、まさにアメリカン・ドリームの体現者。国務長官はアメリカ外交の顔でもあり、党派を超えて国民的人気の高いパウエル氏の国務長官就任は、国内的にも対外的にもブッシュ政権の大きな看板となろう。
37年、ニューヨーク市生まれ。ニューヨーク市立大卒。58年、陸軍に入り、62年、ベトナム戦争に従軍して名誉負傷賞を受賞。83~86年、国防長官補佐官。87年、レーガン大統領の国家安全保障担当補佐官。89年、ブッシュ政権で史上最年少で統合参謀本部議長に。91年、湾岸戦争で多国籍軍の最高司令官として総指揮。93年退任後、96年大統領選の候補として注目されたが、出馬を辞退。自伝「マイ・アメリカン・ジャーニー」は全米ベストセラーに。