タナカ・マキコ。小泉内閣外相、衆議院議員(新潟5区)。
5月8日、田中真紀子新外相は、予定されていたアメリカのアーミテージ国務副長官との会談を、直前になってキャンセル。また、ロシアのイワノフ外相との電話会談も見送りに。
日米安保体制を外交の基軸とする政権の外交責任者が、大統領親書を携えてきたアメリカ政府高官との会談をキャンセルするのは異例の事態で、新外相の判断に、与野党から批判が続出した。田中外相は、同月14日の衆院予算委員会で、「心身ともにパニック状態だった」と釈明したが、冷静かつ高度な政治的バランス感覚を要求される外相ポストに適任だったのか、疑問の声も。
記者会見で「外務省は伏魔殿のようなところ。日に日に攻勢をかけてきている」(同月11日)と、外相自身が官僚批判をあからさまに発言するなど、事務方との省内人事をめぐる関係悪化で、省内は一時、混乱状態に。小泉新内閣の看板閣僚としての外相起用が、成功するかどうかの判断には、いましばらく時間が必要か。
1944年、東京都生まれ。田中角栄元首相の長女。夫は田中直紀参議院議員。日本女子大附属高校からアメリカの高校に留学。帰国後、早稲田大学商学部入学。劇団「雲」の研究生。69年に結婚。93年、衆院選に無所属で立候補して当選、以後、連続3期当選。94年、村山内閣の科学技術庁長官。