「センゴク・イエス」。本名、千石剛賢(せんごく・たけよし)。宗教家。
12月11日、「イエスの方舟(はこぶね)事件」で話題になった、新興キリスト教団体「イエスの方舟」の主宰者、千石剛賢さんが福岡市内の病院で死去。78歳。
1923年、兵庫県生まれ。戦後、大阪の聖書研究会で伝道活動をはじめ、60年に、東京で「極東キリスト集会」(後に「イエスの方舟」と改称)を開き、会員との共同生活をはじめる。70年代に入り、親子関係などで悩む若い女性が次々と相談に訪れ、家出して入信したため、「娘を返せ」と迫る親たちとの間でトラブルとなった。78年から2年あまり、「イエスの方舟」は集団失踪して全国各地を転々と漂流。主宰者の千石さんは、マスコミから「千石イエス」とあだ名され、「現代の神隠し」などと騒がれて、警察も動く社会問題に。しかし、会員たちが、自分の意思で参加したことを表明して一件落着。その後、「イエスの方舟」は、福岡市博多区中洲に活動拠点としてスナック「シオンの娘」を開き、聖書研究会と人生相談などの伝道活動をつづけ、93年には、教会「イエスの方舟会堂」を建設している。