ジャック・シラク。Jacques Rene Chirac。フランス大統領。
5月5日に行われたフランス大統領選の決選投票で、保守党「共和国連合」の現職シラク大統領が、極右政党「国民戦線」のルペン党首を破り、再選を果たした。得票率は、シラク氏82.21％、ルペン氏17.79％（投票率79.71％）と大差に。
第1回投票で、「移民排斥、欧州統合反対」を唱えるルペン候補が、社会党のジョスパン首相を破って2位となる「ルペン・ショック」が起き、フランス国内だけでなくヨーロッパ全域で極右政党の台頭に危機感が募っていた。決選投票では、左派政党も「極右阻止」で一致。メディアもシラク支持を強く打ち出していた。なお、5月6日には、オランダで極右政党「フォルタイン」の党首が暗殺される事件が発生している。
1932年、パリ生まれ。パリ政治学院、国立行政学院卒。アメリカ留学後、会計検査院に入り、ポンピドー首相の官房秘書官に。67年、国民議会議員。74～76年、ジスカールデスタン大統領の下で首相。77年、パリ市長に。86年～88年、ミッテラン大統領の下で首相。95年、3度目の挑戦で大統領に当選。パリ市長時代の不正献金疑惑で、大統領の刑事免責特権を盾に、証人喚問要請を拒否したため、「シュペル・マントゥール（超嘘つき）」と批判された。