フクイ・トシヒコ。新日本銀行総裁。
2月24日、政府は3月19日に退任する日銀の速水総裁の後任に、富士通総研理事長の福井俊彦氏の起用を内定。
1935年、大阪府生まれ。東京大学法学部卒業後、58年、日本銀行へ入行。94年には副総裁となり当時の松下康雄総裁の後継者として最有力視されていたが、98年、特殊なしゃぶしゃぶ店を舞台としたことで注目を集めた日銀幹部接待汚職事件の監督責任をとり、松下総裁と共に辞任。その後、民間シンクタンクの富士通総研経済研究所理事長に就任し、2001年には経済同友会の副代表幹事となった。副総裁には「財政再建至上主義者」といわれる武藤敏郎前財務次官と、「インフレターゲットの急先鋒」といわれる岩田一政内閣府政策統括官が内定。インフレターゲットはデフレ克服の「魔法のつえ」ではないという実務派の新総裁の舵取りが注目される。