セラ・ユズル。本名、哲壮(てっそう)。ジャズピアニスト。
2月17日、粋な演奏と巧みな話術で人気を集めたジャズピアニストの世良譲さんが、多臓器不全のため死去。71歳。
1932年、島根県生まれ。小学1年生からピアノを習い始め、明治大学在学中の50年、アメリカ軍キャンプなどでプロ活動を開始。59年に白木秀雄クインテットに、60年代には日野皓正クインテットに参加。65年にはベルリンジャズ・フェスティバルに出演し国際的に注目を浴びるなど、海外のジャズ祭に精力的に参加。74年から7年間、TBSの「サウンド・イン“S”」に出演するなど、音楽番組やCMでも活躍。スマートで洗練された演奏と巧みな話術で親しまれた。主なアルバムに「世良譲/バッカス・スイング」「アイ・ラブ・ユー/世良譲トリオ」など。2003年、日本ジャズ界最大の栄誉とされる南里文雄賞を受賞。医師から「酒かたばこかどちらかをやめるように」といわれるほどの酒豪かつ愛煙家で、最近は胃がんなどで入退院を繰り返していたが、02年には仲間のジャズマンを集め「病院セッション」を行うなど、音楽を楽しむ姿勢は最後まで変わらなかった。