サトウ・ヨウイチロウ。植物遺伝学者。
7月23日、考古学や関連分野で優れた成果を上げた研究者を表彰する濱田青陵賞(第17回)を、総合地球環境学研究所の佐藤洋一郎教授が受賞。
1952年、和歌山県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、国立遺伝学研究所助手、静岡大学農学部助教授を経て国立総合地球環境学研究所教授。佐藤教授は青森県三内丸山遺跡などで出土したクリが完全な野生種ではなく、人が手をかけて改良したものであることを遺伝情報を通じて確認。日本のイネについても、弥生時代に稲作が始まったとする従来の説に対して、弥生時代の遺跡から見つかるコメのDNAを調査することで、縄文時代に南方から伝わったと見られる「熱帯ジャポニカ米」が相当の割合で含まれることをつきとめ、「縄文時代に焼畑による稲作が広まっていた」と推測した「DNA考古学」の草分けの一人。主な著書に「稲のきた道」「DNAが語る稲作文明」「DNA考古学」「森と田んぼの危機」「縄文農耕の世界」「DNA考古学のすすめ」などがある。