タカダ・ワタル。フォーク歌手。
4月16日、「自衛隊に入ろう」などで知られるフォーク歌手の高田渡さんが、心不全のため死去。56歳。
1949年、岐阜県生まれ。10代で夜間高校に通うかたわら曲作りを始め、60年代前半は東京でアマチュアとして活動。60年代後半には京都に移り関西フォークの中心的存在になった。69年カップリングアルバム「高田渡/五つの赤い風船」でデビュー。「三億円強奪事件の唄」「自衛隊に入ろう」など時事的話題を皮肉ったり、現代詩などをアメリカンフォークメロディーに乗せる作風は、「日本の吟遊詩人」と呼ばれた。70年代には再び東京に拠点を移し、「吉祥寺フォーク」を代表するひとりともなった。他のアーティストとのユニットでも活躍。一時体調を崩していたが、2000年ころから回復し、往時を知らない若い世代からも支持を集め、04年には高田さんの日常生活を追ったドキュメンタリー映画「タカダワタル的」が公開され話題を呼んだ。アルバムに「ごあいさつ」「系図」「武蔵野タンポポ団の伝説」「石」「ねこのねごと」「渡」など。著書にエッセー集「バーボンストリートブルース」がある。