ナカタ・ヒデトシ。サッカー選手。
7月3日、日本代表として3度のワールドカップ(W杯)に出場し、海外リーグでも活躍した中田英寿(MF)が、自身のホームページ(HP)で引退を表明した。
1977年、山梨県生まれ。小学校3年時からサッカーを始める。U-15(15歳以下)を皮切りに各世代の日本代表に召集され、ワールドユースなどの国際大会を経験。韮崎高校卒業後、Jリーグのベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)に入団。96年のアトランタ五輪では、「マイアミの奇跡」と呼ばれるブラジル戦での勝利に貢献した。97年、対韓国戦でフル代表デビュー。W杯フランス大会アジア最終予選では、力強く正確なパスと豊富な運動量でチームの司令塔として活躍。最終戦の対イラク戦では全得点にからみ、日本をW杯本大会初出場に導いた。98年のW杯後には、イタリアのサッカーリーグ・セリエAのペルージャに移籍。デビュー戦で2得点するなどの活躍を見せ、2年連続となるアジア年間最優秀選手賞(アジアサッカー連盟)を受賞した。2000年には名門チームのローマに移籍し、翌年のリーグ優勝に貢献。その後、プレミアリーグ(イングランド)のクラブでもプレーした。02年のW杯日韓大会では、初の決勝トーナメント進出の原動力になったほか、FIFA(国際サッカー連盟)が創設100周年を記念して発表した「偉大なサッカー選手100人」に日本からただひとり選出されるなど、日本サッカーを代表する選手として活躍を続けた。
06年のW杯ドイツ大会で、日本代表は1分2敗と苦戦したが、第2戦のクロアチア戦では「マン・オブ・ザ・マッチ」に選出されるなどチームをけん引。ドイツ大会まで3大会の日本のW杯全10試合すべてに出場した唯一の選手であり、国際Aマッチ77試合出場は歴代5位となる(06年6月時点)。
作家・村上龍との共著があるほか、ホームページを通じた情報発信、菓子メーカーの執行役員就任など、スポーツ選手の枠にとらわれない活動でも注目を集めた。今回の引退も、自身のHP上に「人生とは旅であり、旅とは人生である」と題するメッセージで発表され、大きな反響を呼んだ。