セトウチ・ジャクチョウ。本名、晴美。作家。天台宗僧侶。
11月3日、2006年度の文化勲章親授式が皇居・宮殿で行われ、作家の瀬戸内寂聴他4人に勲章が贈られた。
1922年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業後、57年に『女子大生・曲愛玲』が新潮社同人雑誌賞を受賞し作家デビュー。『花芯』の性描写などが論議の的となった。63年に小説『夏の終り』で女流文学賞を受賞。時代に先駆けた女性の生き方や仏教などをテーマに創作活動を行う一方、73年、岩手県の中尊寺で得度。法名を寂聴とし、翌74年に京都・嵯峨野に寂庵を開く。87年には岩手県の天台寺の住職に就任(~2005年)。主な著作に『瀬戸内寂聴訳 源氏物語』『田村俊子』『かの子撩乱』『花に問え』などがある。小説以外にもオペラ台本、作詞など、多分野で活躍中。
文化勲章は、日本の文化の発達に顕著な功績のあった文化功労者から選ばれ、贈られる。今年度は他に、大阪大学名誉教授(高温工学・溶接工学)の荒田吉明、日本画の大山忠作、一橋大学名誉教授(日本経済論)の篠原三代平、音楽評論の吉田秀和が受章している。