ボビー・フィッシャー。Robert (Bobby) James Fischer。元チェス世界王者。
2008年1月17日、伝説の元チェス世界王者のボビー・フィッシャーさんが病気のため、アイスランドで死去。64歳。
1943年、アメリカのシカゴ生まれ。6歳から独学でチェスを学び始めるとともに、天才的な才能を発揮し、57年に14歳でナショナルマスター位を、また翌58年にグランドマスター位を、いずれも史上最年少記録で獲得。72年、アイスランドのレイキャビクで開かれた第11回国際チェス選手権で、当時最強といわれたソビエト連邦(現ロシア)の王者ボリス・スパスキーを破り、世界チャンピオンとなる。米ソ冷戦下で、ソビエトが長く独占していた世界チャンピオンの座を奪ったことから、「アメリカの英雄」と称された。しかし75年に、防衛戦の運営方法をめぐって世界チェス連盟と対立し、試合を拒否したことから王座を剥奪され、以降、行方不明となる。92年に突如復帰して国連の経済制裁下にあったユーゴスラビア(現セルビア共和国)でスパスキーと再戦し、勝利により賞金約300万ドルを獲得したものの、アメリカが制裁違反として起訴したことから、国外追放処分となり東欧諸国で潜伏した後、日本で暮らす。2004年に成田空港からフィリピンに出国しようとしたところ、旅券失効のため入国管理局により身柄が拘束された。05年3月、アメリカへの身柄受け渡しを拒否し、同年にアイスランドから市民権を与えられ、同国に移り住んだ。