ワダ・ベン。演出家。
2011年1月14日、ドラマ「阿修羅のごとく」などの演出で知られる元NHKディレクターで、独特の風貌(ふうぼう)と豪快な笑いから“ガハハおじさん”の愛称でも親しまれた和田勉さんが、食道上皮がんのため死去。80歳。
1930年6月3日、三重県生まれ。早稲田大学第一文学部演劇学科卒業。テレビ放送が始まった53年にNHK入局。56年からドラマの演出を手がけ、78年「天城越え」で芸術祭大賞、84年「心中宵庚申」で同大賞と放送文化基金賞本賞を受賞するなど「芸術祭男」の異名で呼ばれた。他の作品に大河ドラマ「竜馬がゆく」(68年)、「阿修羅のごとく」(79年)、「ザ・商社」(80年)、「けものみち」(82年)、「夜明け前」(87年)などがある。87年にNHKを退職後は民放のバラエティー番組出演でも人気を得たほか、映画、舞台でも活躍。2008年に食道上皮がんを告知されたが、手術や延命治療を拒否。病院や老人福祉施設で闘病生活を送っていたという。夫人は衣装デザイナーのワダエミ。著書に「テレビ自叙伝―さらばわが愛―」「地中海人間」などがある。