アレハンドロ・トレド。Alejandro Toledo。ペルーの政治家。
6月3日に行われたペルー大統領選挙の決選投票で、経済学者のアレハンドロ・トレド氏(ペルー可能な党)が、元大統領のアラン・ガルシア氏(アメリカ革命人民同盟)を破り、当選。トレド氏の得票率は53%、ガルシア氏は47%の僅差の勝利。トレド氏は、7月28日に次期大統領に就任する。
トレド氏は、「反フジモリ」派の急先鋒であるだけに、大統領の職務放棄罪、人権侵害罪などを理由に、日本政府に対し、日本で大統領職を辞任し、そのまま、日本に滞在しているフジモリ前大統領の身柄引き渡しを要求してくると見られている。
1946年、ペルー北部の山岳地帯の貧しい農家の出身。選挙でも、先住民系の俗称である「チョロ」を名乗り、貧困層、先住民の支持を得た。奨学金を得てサンフランシスコの高校に留学。スタンフォード大学で開発経済学の博士号を取得後、国連開発計画、世界銀行でエコノミストとして活躍。94年には、早稲田大学に留学し、客員教授を務めている。大統領選には、95年以来、3回出馬。2000年の大統領選では、憲法を改正して3選を目指したフジモリ前大統領に肉薄し、40%を獲得して決選投票に持ち込んだが、選挙の不正を訴えて決選投票をボイコット。今回、3度目の挑戦で大統領に選出された。しかし、党首を務める「ペルー可能な党」は、国会でも少数与党であり、選挙戦で雇用創出、減税、財政赤字削減など公約を乱発したため、政権の前途は多難か。