カトウ・コウイチ。政治家(元自民党幹事長、宮沢内閣官房長官)。
4月8日、加藤紘一衆院議員は、前事務所代表、佐藤三郎被告の脱税事件の発覚で、自らの政治資金処理にも疑義が生じた責任を取り、議員辞職願を提出した。社民党の辻元清美衆院議員に続く議員辞職で、北方四島支援事業などで疑惑が指摘されている鈴木宗男衆院議員に対して辞職を求める声が強まるのは必至に。
加藤議員は、衆院予算委の参考人招致で、1億円を超えるとされる政治資金流用疑惑について「政治活動の一環」として私的流用を否定。しかし、自宅マンションの家賃などの支払いに充てていたことが判明しており、政治資金規正法違反の疑いが濃厚だった。自民党離党での幕引きを目指したが、佐藤被告の取り調べで捜査当局に外堀を埋められ、議員辞職に追いつめられたもの。
加藤・辻元両議員の辞職に伴う、山形4区と大阪10区の補選は10月27日に実施されるが、公職選挙法の規定で、加藤、辻元の前議員は立候補できない。
1939年、山形県出身。東京大学法学部卒業後、外務省入省。72年、父親の跡を継いで衆院議員に初当選し、78年、大平内閣の内閣官房副長官に。84年、防衛庁長官、91年、宮沢内閣の官房長官となり、「自民党のプリンス」と称される。95~98年、自民党幹事長。98年に宮沢派を引き継ぎ、加藤派を旗揚げし、99年自民党総裁選に出馬。2000年11月の森内閣不信任案決議(「加藤政局」)では、本会議欠席という優柔不断の選択で、加藤派が内部分裂し、総裁候補の座から転落。