ポール・マーティン。Paul Martin。カナダ首相。
12月12日、カナダのジーン・クレティエン首相の退任に伴い、与党・自由党のポール・マーティン党首が第21代首相に就任。
1938年、カナダ・オンタリオ州生まれ。父親のポール・マーティン・シニアは、自由党内閣で何度も閣僚を務め、党首選にも2度出馬した有力政治家。トロント大学セントマイケルズカレッジで哲学と歴史を学んだ後、同大法学部に進み66年オンタリオ州の弁護士資格を取得したが、実業界に転進。モントリオールの電力公社の経営陣に加わり、同社傘下の貨物船会社を世界的規模の貨物輸送会社に成長させるなど、敏腕を振るった。88年の総選挙で自由党から出馬して政界入り。90年同党党首選に初出馬、クレティエン候補に敗れたが、93年からの10年にわたるクレティエン政権では2002年に解任されるまで財務相を務め、5年連続で財政黒字を実現。03年11月の自由党大会では、党首選の決選投票に94パーセントの得票で圧勝して首相の座を射止めた。新政権には、前政権がイラク派兵を拒否したことで悪化した対米関係の改善が期待されている。